- 1 : ◆yufVJNsZ3s :2020/08/15(土) 10:52:14.03 ID:NLZLtzJb0
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現在時刻は二三時ちょうど。とっぷりとした夜の闇を一瞬だけ光が照らす。弾けた光の花は、ぱらぱらと音を立て、海へと消えていった。スーパーで買ってきたちゃちな代物だ。大袋に入った、2000円程度の。それが十ほどと数だけはたんまりとある。一晩遊んでもなくなりゃしないのに、駆逐や軽巡のガキどもは、我先にと両手で握ってダンスを踊っている。
楽しそうに笑いながら手を取り合って、次へ、また次へと蝋燭の火へ。
別に珍しいものでもないだろうに。これが、五尺玉が打ちあがるとでも言うのなら俺だってこぞって参加するが、今更手持ち式の花火ではしゃぐ年齢でもない。だが、それでも。たとえ安い、チンケな花火だとて、それで喜んでもらえるならば用意した甲斐があったというものか。
一度戯れに初めてみたのが大層ウケがよかったものだから、それくらいでご機嫌がとれるのならと、気づけば毎年の恒例行事になってしまっている。特に駆逐のガキどもにとっては、こうやって夜遅くまで遊ぶことそのものが特別な意味合いを持つらしい。なんとも幸せなことだ。
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