【シンガポール=森浩、ワシントン=黒瀬悦成】アフガニスタン全土で大攻勢を続けるイスラム原理主義勢力 タリバンは13日、国内第2の都市、南部カンダハルの制圧を宣言した。国内第3の都市で西部の要衝ヘラートも支配下に置いた。8月末の駐留米軍の完全撤収を前に、首都カブールを除く国内の主要都市はほぼタリバンの手に落ち、士気低下が深刻な政府軍は劣勢を挽回できない状況だ。
 タリバンはこのほか西部カライナウ、南部ラシュカルガーの両州都の制圧も宣言した。タリバンは6日以降、各地の州都を集中的に攻撃しており、陥落した州都は全34州中14カ所となった。
 カンダハルは人口60万人規模で、かつてタリバンが本拠地を置いた南部の重要都市だ。タリバンは7月下旬以降、カンダハルを包囲する形で攻撃を続けていた。地元議員は産経新聞通信員の取材に「猛攻に耐えられず、12日に政府軍は相次いで撤退した。州政府幹部は近郊の軍施設に避難した」と述べた。
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